①津軽天然藍染

 日本で藍が栽培されるようになったのは三世紀頃からといわれ、津軽では藩政時代の四代藩主、津軽信政公の時代の元禄七年(1694年)、お城の西方に紺屋町をつくり百軒余の紺屋があったと記録にあります。京都から技術者を招いて、養蚕や機織りと共に藍染の振興をはかっていました。

 しかしながら、藩政時代の末期から廃藩置県などの歴史の変遷と、明治以降の化学染料の発明と普及により、天然藍染は姿を消しつつ今日に至っております。

 当津軽天然藍染川﨑染工場は、天明、寛政の頃からの紺屋で、当時からの建物と藍瓶(あいがめ)、藍場(あいば)を修復して、津軽天然藍染の継承に努めております。

江戸時代からの藍甕(あいがめ)/江戶時代的藍缸/Edo period indigo vat
藍場(工房)/靛藍田(車間)/Indigo field (workshop)


②藍の効用

藍の歴史四千年のうち二千年は薬用でした。

 一、肌荒れ、冷え性を防ぐ
 二、衣類や和紙の防虫
 三、靴下、足袋に使うと水虫、まむし(毒蛇)、蚊を防ぐ
 四、鎮静剤としての薬効
 五、殺菌性があり包帯に使うと良い
 六、強精剤(種子5グラムを1日の量として炒って食べる)
 七、丹毒、魚中毒、きのこ中毒(陰乾葉10グラムを水2、5合で半量に煎じ1日3回に分服)
 八、歯痛(葉の黒焼き粉末を噛む)
 九、腫れ物、虫さされ(生葉を揉んで患部に貼る、生葉の青汁を塗る)
 十、解熱、解毒(種子5~10グラムを水1.5合で0.5に煎じ1日2回に分服)その他疾患等に用いる

 今また自然の藍の良さが、その美しさと堅牢性、薬効性などと共に見直されており静かなブームとなっています。当店では、衣類、小物、日用品など、さまざまな天然藍染品を取り揃えております。またオリジナル柄などのご注文もお受けいたします。ぜひ一度ご来店ください。

③藍染品のお取り扱いについて(重要)

天然藍染は摩擦による他のものへの汚染や日光による変退色が生じることがあります。
お洗濯はドライクリーニングを避け、ぬるま湯で固形石けんや中性洗剤で昔のように手でたたき洗いして、軽く絞り蔭干ししてください。
厚手のものは最初の洗濯のときに余分な藍が落ちる場合がありますので、白いものと分けてください。

④その他の染め方
・藍の生葉染め

藍の生葉染め巾着 ¥2,200 No.201202001


●用意するもの
 藍の生葉(染める布の重さと同量から倍量)、布(絹)、 ミキサー、布の袋、たらい(ボウル)

●染め方
 ①できれば晴れた日の午前中に葉を摘み水洗い(雨天は不適)
 ②ミキサーに葉を入れ全体が浸る位の水を加える
 ③ミキシング後、布の袋でこしながら、たらいに移す
 ④かくはん後、布が浸る程度に水を加える
 ⑤布は湯通ししておく(30°C程度のお湯に10~15分つけて絞る)
 ⑥布を繰り広げながら染液につける(まんべんなくムラなく広げて)
 ⑦時々布の浸り加減を見ながら15~20分つける
 ⑧布を染液から引き上げ、軽く絞り、全体を広げながら空気にさらす(5分位)
 ⑨よく水洗いし乾燥させる

・藍のたたき染め

●用意するもの
 藍の生葉(摘みたて、水気は拭き取る)、布(木綿)、ラップ、たたく物(木づちなど)

●染め方
 ①布の上に葉を置く(葉の表側を上に) ※この時、布の下には吸水性のある新聞紙や和紙などを敷くと良い
 ②葉の上にラップを乗せ、葉全体をまんべんなくたた
 ③たたき終わった葉は捨てる(ラップは何度でも使える)
 ④全部の葉をたたき終わったら、そのまま空気にさらして、酸化させた後、水で軽く葉のカスなどを洗い流す 5脱水の後、乾燥させる

◆生葉染の作品及びたたき染の作品の洗濯は、蛍光剤や漂白剤を含まない“中性洗剤”を使用して下さい